コラム:リアル東大ライフ – 国際学会レポート in イタリア

当教室の卒業生、SH(工学系大学院1年生、大石小学校出身)が東大生の生活を不定期にレポートします。教室に通ってきている小学生、中学生にとって「大学」とはまだ遠い世界のことだと思いますが少しでも身近に感じてもらえると嬉しいです。(2024年10月ニュースレターからの掲載です。)


国際学会レポート in イタリア

4月から大学院に進学したSHです。工学系大学院で、研究では数学などの理系の手法を使用しながら経済的な研究を行っています(具体的には、ものの価格を変えたときに消費者がどのように反応するのかや、市場でものを売りたい人と買いたい人をどのように引き合わせるべきかの研究を行っています)。今回、7月10日から12日にイタリアで開催された、CIRP ICMEという国際学会に参加してきましたので、学会で発表した内容や感想をご紹介しようと思います。

どのような学会だったのか

CIRP ICMEは、製造工学に関する学会の一つで、金属の加工や水中ロボットなど、製造に関連した研究発表が多く行われていました。私は工学の手法を実社会に応用することをテーマとした領域において、ショッピングモールを作る際に空きスペースとテナントを不満なく割り当てる方法に関する発表を行ったのですが、学会で主流の研究領域とは少しずれていた印象を受けました。

学会のオープニングの様子

学会に参加するまでに行ったこと

学会に参加する約3ヶ月前に、参加申し込みと100語程度での研究の概要の提出を行う必要がありました。その後、英語で6ページの論文を提出し、運営側のチェックを通れば学会に参加することができます。

今回はすでに存在していた研究成果を論文にまとめ上げる作業を直前に行ったのですが、研究の内容をうまく取捨選択してコンパクトにまとめたり、英語で自然な表現に直したりすることが非常に大変でした。

学会に参加した感想

懇親会では、こんなに大きな生ハムのタワーが。さすがイタリア!

似た分野を研究する海外の研究者・学生の前で英語でプレゼンテーションを行い、彼らとディスカッションができたことは非常に刺激的な経験であり、今後研究をさらに発展させる上でのヒントを数多く得ることができました。

研究発表以外にも食事・観光を通じた交流の機会も多くあり、ほかの国・ほかの研究室とのつながりを強く保ちながら研究を続けていきたいと思うきっかけになりました。

また、学会の会場はナポリ湾の温泉バカンス地となっており、普段の忙しい生活から離れて学会に集中できるよい時間だったように思います。